ポール・オースター

『翻訳夜話』は、もう少しで読み終わります。おとといの夕方に読み始めたから、新書とはいえ、ぼくにしては早いペースです。ポール・オースターの「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」という短編が村上春樹訳、柴田元幸訳で両方とも載っているのですが、これは面白い話だと思いました。ポール・オースターって、読んだことがなかったのですが。

 

「でも尋ねたところで、この男が真実を打ち明けるわけがない。だいたい僕はそれまですっかり真に受けて話に聞き入っていたわけだし、大事なのはそこのところなのだ。信じる相手が一人でもいるかぎり、どんな話だって真実になる。」(村上春樹訳)

 

「どうせまともな答えが返ってくるはずはない。まんまと罠にはまった私が、彼の話を信じた――大切なのはそのことだけだ。誰か一人でも信じる人間がいるかぎり、本当でない物語などありはしないのだ。」(柴田元幸訳)

 

I was about to ask him if he'd been putting me on, but then I realized he would never tell. I had been tricked into believing him, and that was the only thing that mattered. As long as there's one person to believe it, there's no story that can't be true. (原文)

 

これは「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」のなかの一節ですが、この部分に関して言えば、村上春樹の訳のほうが、意味が取りやすいです。

 

昨日も、デイケアでした。昨日思ったのですが、ぼくのいま通っているデイケアには、「いかにも精神病(統合失調症)患者」という人があまりいないです。見た目は普通な人がほとんどです。ぼくはデイケアに通い始める前は、デイケアに対して偏見を持っていました。いかにも精神病の人たちとトランプやウノをやってなんになるのか、と思っていました。ぼくにとって大切なのは、デイケアに通っている人たちがどういう人たちなのか、ということなのだと思います。やっぱり見た目は大事ですよ。見た目が著しく悪いと、少なくとも接客はできないでしょうしね。もっとも、精神障害者には接客は無理なのかもしれませんけど。人にもよりますかね。見た目がどうというのは、もちろん、顔立ちが整っているとかそういう話ではなくて、普通に見えるかどうか、という話です。

 

ぼくはいまのデイケアに、片道一時間半かけて通っているわけですが、いいデイケアを見つけたものだ、と思います。ぼくの家の近所のデイケアにも、いくつか見学に行ったのですが、ちょっと無理という感じでした。自分のイメージしているデイケアのイメージそのものだったので。いまぼくが通っているデイケアは、自分のイメージしていたデイケアとは、違います。こういうデイケアもあるんだな、という感じです。

 

また、二月から、いまの遊び要素の強いグループから、就労に向けた、製パン、喫茶などのグループに移ります。このまま遅刻しないで通えればの話ですが。