2007年の夏、最も強度の強い出会い

とても個人的なことを書く。

 

ぼくにとって、生涯において、最も自分の存在を強く動かした体験は、2007年の夏、アイコの「星のない世界/横顔」というシングルを発売日に聴いたときのことだった。あんな音楽体験、他になかった。ぼくはその年の春、精神科に通うのを中断していた。そのころの自分の診断は離人神経症だったし、薬も処方されていなかったので、中断しても大丈夫だろう、と思ったのだ。また、そのころ、禅に関心があり、森田のいう「治さずに治す」ためには、通院を続けるのは自家撞着だと思った。それで、ぼくはより強度の強い現実と対峙するために、裸になったのだった。ぼくは裸になった。もはや、精神科医との関係はない。ぼくは、世界を直接に体験していた。そこで、夏になり、アイコの「星のない世界/横顔」が発売され、ぼくは発売日に買って聴いた。強度の強い現実の体験。また、ぼくはこの表題曲二曲でドラムを叩いている佐野康夫というドラマーの存在にも出会ったのだった。ぼくにとって、偉大な、アイコと、佐野康夫との出会いは、同じ日に、同じときに起こった。離人症はどこへやら。この二人との出会いは、現実以外のなにものでもなかった。