裏という概念

裏という概念は、表という概念なしに成り立たない。

 

なにを言っているのかというと、たとえば即興演奏は、裏をかき、演奏のすべてが裏になっていないといけない。出したい音を出すのではなくて、出したい音を「出さない」という反動によって演奏が支配されていなくてはならない。四分音符を出したいと思った場合、その瞬間は、四分音符を絶対に出してはならない。結果、出される音符は、八分音符だとか、三連符、十六分音符、二分音符、全音符などになるだろう。これは、自分の有意識、あるいは理性を信用してはならないということだ。無意識をこそ、表出しなければならない、それは自分の深いところにある欲望であるから。

 

ぼくが「統合失調症を発症した」と言っているのは、より正確に言えば、表という概念を失ったということだ。