集中力と、感情の自発性
音楽を集中して聴いている人は、ただたんに音に集中しているのではなくて、自分の心の動きを見つめているのだ。これは本を読む場合においてもそうだ。本を集中して読んでいる人は、文字を追いながら、自分の心の動きを見つめているのだ。
つまり、集中力というのは、自分の心を見つめる能力であるとも言えるのではないか。自分の心が流動的に動くということが、なんらかの物事に集中するための条件なのではないか。つまり、感情の自発性が、対象がなんであれ、集中するための条件なのではないか。
ぼくの集中のできなさは、一つには、自分の感情が動かないことから来ていることは、明らかだ。一秒ごとに変化する感情、というものがない。